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東京大学を目指すうえで避けて通れないのが「足切り」、正式には第一段階選抜です。共通テストの結果次第では二次試験すら受けられなくなるこの制度は、東大受験生にとって最初の関門と言えます。
2025年度から予告倍率が大幅に引き下げられ、足切りの基準が厳格化されました。さらに2026年度入試では共通テストの理系科目が難化し、足切りラインにも大きな変動が生じています。私自身、理科三類に現役で合格しましたが、6年間の指導を通じて足切りに引っかかってしまう受験生も見てきました。
この記事では、2026年度の最新確定データをもとに、東京大学の足切りの仕組みから科類別のボーダー推移、突破に必要な得点率の目安、そして万が一に備えた戦略まで網羅的に解説します。
- 2026年度確定データで科類別の足切り点を一覧比較
- 過去5年間の足切り点推移から変動パターンを分析
- 足切り突破に必要な得点率と安全圏の目安を提示
- 出願戦略からリカバリープランまで実践的なノウハウを解説
東京大学の足切りとは?第一段階選抜の仕組み
まずは東京大学の足切り制度の基本を正確に理解しましょう。仕組みを把握しておくことで、出願戦略や共通テスト対策の優先度を適切に判断できるようになります。
足切りの判定基準と予告倍率の関係
東京大学の「足切り」とは、正式には第一段階選抜と呼ばれる制度です。志願者数が各科類の募集人員に対して「予告倍率」を超えた場合に実施され、共通テストの総合点で判定されます。
ポイントは、足切りラインが事前に固定されているわけではないという点です。あくまで「志願者数÷募集人員」の倍率が予告倍率を超えたときに初めて実施され、そのときの出願者の得点分布で足切りラインが決まります。
足切りの基本的な流れ
- 東大が科類ごとに「予告倍率」を事前に公表する
- 出願期間中、東大HPで志願者数が毎日更新される
- 志願者数が「募集人員×予告倍率」を超えると足切りが実施される
- 共通テストの総合点のみで判定(科目別の基準はない)
- 足切り不合格の場合、二次試験を受験できない
なお、志願者数が予告倍率に達しなかった場合は足切り自体が実施されず、全員が二次試験を受験できます。実際に2024年度は文科一類・文科二類で足切りが実施されませんでした。ただし2025年度以降は予告倍率の引き下げにより、全科類で足切りが実施される傾向が強まっています。
2025年度からの予告倍率引き下げの影響
2025年度入試から、東京大学は予告倍率を大幅に引き下げました。これは足切りの歴史における大きな転換点です。
| 科類 | 旧倍率(〜2024年度) | 新倍率(2025年度〜) | 変更幅 |
|---|---|---|---|
| 文科一類 | 約3.0倍 | 約2.5倍 | -0.5 |
| 文科二類 | 約3.0倍 | 約2.5倍 | -0.5 |
| 文科三類 | 約3.0倍 | 約2.5倍 | -0.5 |
| 理科一類 | 約2.5倍 | 約2.3倍 | -0.2 |
| 理科二類 | 約3.5倍 | 約3.0倍 | -0.5 |
| 理科三類 | 約3.0倍 | 約2.8倍(2026年度〜) | -0.2 |
東大はこの引き下げの理由として「二次試験をより丁寧に行う」「答案により深く向き合い、一層丁寧に採点を行える」ことを挙げています。
この変更の影響は大きく、2025年度の志願者数は8,421人と前年比1,011人の大幅減となり、法人化以降で過去最少を記録しました。さらに2026年度は8,329人とさらに減少し、2年連続で過去最少を更新しています。足切り厳格化を恐れて出願を回避する層が増えた結果です。
共通テストの得点が二次試験に与える影響
東大入試を理解するうえで重要なのが、共通テストの得点が二次試験の合否にどう影響するかという点です。
東大では共通テスト1,000点満点を110点満点に圧縮して、二次試験440点満点と合算します。つまり合計550点満点のうち、共通テストが占める割合はわずか20%です。
圧縮の具体例
共通テスト800点の人 → 圧縮後88点
共通テスト900点の人 → 圧縮後99点
→ 100点の差が圧縮後はわずか11点差に。この差は二次試験440点の中で十分に逆転可能です。
つまり、足切りは共通テストの「素点」(1,000点満点)で判定されますが、二次試験との合算時には110点に圧縮されるため、足切りを突破してしまえば共通テストの差の影響は限定的になります。ただし、合格最低点付近では1点差で合否が分かれることもあるので、「差がない」とまでは言えません。
東京大学の足切り最新データと突破戦略
ここからは2026年度の最新確定データをもとに、科類別の足切りラインを詳しく分析し、突破するための実践的な戦略を解説します。
2026年度の足切り結果と科類別データ
2026年度入試では全科類で第一段階選抜が実施されました。以下が科類別の確定データです(1,000点満点)。
| 科類 | 募集人員 | 志願者数 | 1段階合格者 | 足切り点 | 得点率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 文科一類 | 387人 | 1,229人 | 1,004人 | 720点 | 72.0% |
| 文科二類 | 341人 | 996人 | 884人 | 744点 | 74.4% |
| 文科三類 | 469人 | 1,281人 | 1,173人 | 781点 | 78.1% |
| 理科一類 | 1,108人 | 2,736人 | 2,549人 | 775点 | 77.5% |
| 理科二類 | 532人 | 1,710人 | 1,596人 | 767点 | 76.7% |
| 理科三類 | 94人 | 377人 | 272人 | 716点 | 71.6% |
2026年度の特徴として注目すべきポイントは以下の通りです。
- 文科三類が文系最高の78.1%:文一(72.0%)や文二(74.4%)を大きく上回っている
- 理科三類が全科類最低の71.6%:募集人員が少ない(94人)ため、志願者数の変動で足切りラインが大きく動く
- 理一・理二は前年より大幅に低下:2025年度は理一808点・理二814点だったが、2026年度は共通テスト理系科目の難化で大きく下がった
理科三類の足切り点が低いからといって「理三は入りやすい」というわけではありません。足切りラインはあくまで二次試験を受ける権利を得るための最低ライン。最終合格に必要な得点率は全科類中最高の約90%です。
過去5年間の足切り点推移と変動要因
足切りラインは年度によって大きく変動します。過去5年間の推移を得点率で比較します。
| 科類 | 2022年 | 2023年 | 2024年 | 2025年 | 2026年 |
|---|---|---|---|---|---|
| 文科一類 | 57.8% | 53.2% | なし | 71.7% | 72.0% |
| 文科二類 | 48.3% | 50.4% | なし | 72.5% | 74.4% |
| 文科三類 | 66.1% | なし | 69.2% | 77.4% | 78.1% |
| 理科一類 | 70.0% | 60.3% | 78.1% | 80.8% | 77.5% |
| 理科二類 | 71.8% | 79.0% | 75.8% | 81.4% | 76.7% |
| 理科三類 | 58.8% | 71.1% | 76.8% | 77.0% | 71.6% |
※「なし」は足切り未実施(志願者数が予告倍率に達しなかった年)。2024年度以前は900点満点、2025年度以降は1,000点満点のため、得点率で統一して比較しています。
この推移から読み取れる主な傾向は以下の通りです。
共通テストの難易度が足切りラインを左右する
2022年度は共通テストが大幅に難化し(特に数学IAが過去最低の平均点)、全科類で足切りラインが大きく下落しました。文科二類は48.3%という驚異的な低さでした。一方、2025年度は予告倍率の厳格化も相まって全科類で70%台後半〜80%台の高水準になりました。
2025年度以降は足切りラインが底上げされた
予告倍率の引き下げにより、2025年度以降は全科類で足切りが実施されるようになり、得点率ベースで従来より高いラインが常態化しています。「50%台で足切りを通過する」という時代は基本的に終わったと考えてよいでしょう。
足切り突破に必要な得点率の目安
6年間の指導経験と過去データを踏まえ、足切り突破に必要な得点率の目安をまとめます。
| 安全度 | 得点率 | 1,000点換算 | 状況 |
|---|---|---|---|
| 安全圏 | 85%以上 | 850点以上 | 全科類でほぼ確実に突破 |
| 概ね安全 | 80〜84% | 800〜840点 | ほとんどの年で突破可能 |
| 要注意 | 75〜79% | 750〜790点 | 年度・科類によりリスクあり |
| 危険 | 75%未満 | 750点未満 | 足切りリスクが高い |
ただし、2025年度には理一808点(80.8%)・理二814点(81.4%)という過去最高水準の足切りが発生しました。「80%あれば安全」とは言い切れない年もあるため、理系志望者は85%を目標にしておくのが賢明です。
一方、文系は足切りラインが理系より低い傾向にあり、文科一類は72%前後で通過できる年が多いです。ただし文科三類は78%台まで上がることがあるため、文系でも油断は禁物です。
足切りギリギリ通過でも合格できるか
「足切りをギリギリで通過したけど、二次試験で挽回できるの?」という不安を持つ受験生は多いです。
結論から言えば、理論上は逆転可能ですが、統計的にはかなり厳しいのが現実です。
共通テストの圧縮により、足切りギリギリ(例:750点)と高得点層(例:900点)の差は圧縮後17点ほどに縮まります。二次試験440点満点のうち17点は一見小さく見えますが、合格最低点付近は1点差で何十人もの合否が入れ替わる世界です。
また、共通テストで高得点を取れる受験生は二次試験の学力も高い傾向にあり、足切りギリギリの受験生が二次試験で大逆転を果たすケースは多くありません。ただし、共通テストでマークミスや体調不良があった場合は、本来の二次力で十分に逆転可能です。
6年間の指導経験から言えるのは、足切りギリギリの受験生がそのまま二次で合格するケースは稀ですが、「足切り通過後に二次対策に集中し、本番で実力を発揮して合格した」生徒は確かにいます。足切りを通過した以上は切り替えて二次に全力を注ぐことが最も重要です。
出願期間中の科類変更と判断基準
共通テストの結果が振るわなかった場合、出願先の科類を変更するという選択肢があります。東大は出願期間中に毎日(休日を除く)志願者数をHPで更新しているため、この情報をもとに戦略的な判断が可能です。
科類変更が有効なケース
- 文系内の変更(文一↔文二↔文三):二次試験の科目が同じなので対策の変更は不要。足切りラインが低い科類に変更して突破率を上げられる
- 理系内の変更(理一↔理二):同様に二次科目が共通のため、出願状況を見て足切りラインが低い方に変更可能
判断のタイミングと方法
出願期間は例年1月下旬〜2月上旬です。出願最終日に近づくほど正確な倍率がわかるため、ギリギリまで待って判断する「後出し戦略」が有効です。予備校の共通テストリサーチも参考になりますが、出願行動の変化により予想が外れることも多いため、東大HPの出願者数速報が最も信頼できる情報源です。
科類変更をする場合は、入学後の進振り(進学選択)への影響も考慮してください。たとえば法学部に進みたいのに文一から文三に変更すると、進振りで法学部に進むために高い成績が必要になります。足切り回避と将来の進路を天秤にかけた判断が求められます。
共通テストの自己採点における注意点
出願判断の基礎となる共通テストの自己採点ですが、ここには意外な落とし穴があります。
自己採点と実際の得点にはズレが生じることがあるのです。マークミスや問題用紙への記録忘れが原因で、自己採点より10〜20点低い結果になるケースが報告されています。特に理系受験生は自己採点が実際より高めに出る傾向があるとされています。
足切りライン付近の受験生にとって、この10〜20点のズレは致命的です。対策としては以下を意識してください。
- 試験中にマークシートの記録を問題用紙に正確にメモする習慣をつける
- 自己採点の結果から15〜20点を引いた数字で出願判断を行うのが安全
- マークミスが不安な場合は、安全マージンを大きめに取って出願先を決める
足切りに落ちた場合のリカバリープラン
万が一足切りに引っかかってしまった場合でも、受験人生が終わるわけではありません。事前にリカバリープランを持っておくことが精神的な支えにもなります。
後期日程・私大併願で備える
東大の足切り結果が出るのは例年2月中旬です。後期試験の出願は共通テスト後に行うため、足切り結果が出る前に後期の出願先を決めておく必要があります。また、早慶などの私大併願も含め、複数の選択肢を確保しておくことが重要です。
浪人して再挑戦する場合
足切り不合格の悔しさをバネに、浪人して翌年の東大合格を目指す受験生も少なくありません。足切りに引っかかった原因を冷静に分析し、共通テスト対策と二次対策のバランスを見直すことが再挑戦の第一歩です。
ただし、浪人して一人で学習計画を立て直すのは簡単ではありません。「どの科目をどこまで伸ばせば足切りを確実に突破でき、さらに二次で合格ラインに到達できるか」を逆算した戦略が必要です。
こうした戦略設計を専門家に相談したい場合、東大毎日塾のような東大専門のオンライン個別指導を活用するのも一つの方法です。専属の東大生メンター(採用率20%以下、150人以上在籍)が学力診断に基づいて年間計画・週間計画を作成し、毎日の進捗を管理してくれます。
- 共通テストの目標点数と科目別の対策バランスを設計
- 二次試験の得点戦略を志望科類に合わせてオーダーメイドで提案
- 365日チャット&ビデオ通話で質問し放題(全科目対応)
- 志望校合格率90.3%(2025年度実績)
無料の個別相談会と14日間の体験指導が用意されているので、今後の学習方針を明確にするためだけでも相談する価値はあります。
東京大学の足切り対策と突破戦略のまとめ
この記事では、東京大学の足切り(第一段階選抜)について、2026年度の最新確定データをもとに仕組みから対策まで解説しました。最後にポイントを整理します。
- 東京大学の足切りは予告倍率方式で、出願者数によって毎年変動する
- 2025年度から予告倍率が引き下げられ、全科類で足切りが実施される時代に
- 2026年度の足切り点は文三78.1%が文系最高、理三71.6%が全科類最低
- 足切り安全圏は理系85%以上、文系80%以上が目安
- 足切り通過後は共通テストが110点に圧縮されるため、二次試験の出来で合否が決まる
東京大学の足切りは年度や科類によって大きく変動するため、「○割取れば絶対安全」という基準はありません。だからこそ、共通テストで確実に得点を積み上げる基礎力と、出願期間中の情報収集に基づく戦略的な判断が重要になります。
共通テスト対策と二次試験対策のバランスに悩んでいる方は、東大受験のプロに相談してみることをおすすめします。東大毎日塾の無料相談では、現在の学力に応じた最適な学習計画を提案してもらえます。
皆さんの東大合格を心から応援しています。