1対1対応の演習の使い方とレベル|東大理三合格者が徹底解説

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「1対1対応の演習ってどうやって使えばいい?」「レベルはどれくらい?」「例題だけでいいの?」「青チャートとの違いは?」――大学への数学シリーズの中でも、1対1対応の演習はこうした疑問が特に多い参考書です。

私は受験生時代に1対1対応の演習をIA〜IIIまで全範囲やり込み、東大理科三類に現役合格しました。数多くの数学教材を使ってきた中で、最も数学力を向上させてくれたのがこの1対1対応の演習です。「解法の丸暗記」から「本質的な理解」に変わる転換点を作ってくれた教材でした。

この記事では、1対1対応の演習の使い方を、私自身の体験と6年間の指導経験をもとに徹底解説します。基本情報、レベル・到達点、例題と演習題の進め方、青チャートとの比較、1対1の後にやるべき教材まで、これ1記事で疑問がすべて解決できる内容を目指しました。

  • 各巻の問題数・レベルと到達偏差値の目安
  • 例題だけでいいか?演習題の扱い方と周回法
  • 青チャート・標準問題精講・FocusGoldとの違い
  • 1対1の後にやるべき参考書と接続ルート
目次

1対1対応の演習の基本情報

1対1対応の演習は東京出版から刊行されている「大学への数学」シリーズの参考書です。最大の特徴は、見開き1ページに例題1題+演習題1題が「1対1」で対応する構成。各巻が薄くコンパクトなため、1冊ずつ着実にクリアしていける点が受験生に支持されています。

各巻の問題数と構成

ページ数例題数演習題数合計価格(税込)
数学I120p53題50題103題1,320円
数学A128p54題54題108題1,320円
数学II164p83題83題166題1,760円
数学B88p59題59題118題1,210円
数学III160p111題125題236題1,760円
数学C152p1,650円

全6巻合計で約730題(数C除く)、合計約9,020円です。現在は新課程対応の三訂版が最新版で、数学Cが新規追加されています。

プレ1対1対応の演習とは

「プレ1対1対応の演習」は本編の入門版で、教科書章末レベル〜入試基礎レベルを対象としています。全4巻(I・A・II・B+ベクトル)構成で、数III/Cはありません。

本編の1対1に入る前に基礎に不安がある方や、網羅系参考書(チャート式等)が合わなかった方は、プレから始めるのも選択肢です。ただし、青チャートやFocusGoldの基本問題を終えている方はプレを飛ばして本編から始めて問題ありません。

1対1対応の演習のレベルと到達点

1対1対応の演習の難易度を、偏差値帯で整理しました。

段階全統記述模試の偏差値状態
開始に必要なレベル60〜67.5青チャートのコンパス5まで or 基礎問題精講が完了している
例題を完答できる60〜65入試標準レベルの問題が解ける
演習題の8割以上正答65〜72.5旧帝大・早慶の標準問題を確実に得点
別解も使いこなせる72.5以上東大・京大・医学部の足固めが完了

私の体感としても、1対1を本格的に始めたのは偏差値60台前半の頃で、全巻やり終えた後は偏差値70を安定して超えるようになりました。「偏差値60→70超え」の最も効率的な橋渡し教材が1対1の最大の価値です。

1対1は「入試標準レベルの解法を体系的に身につける」教材です。基礎力が不十分な状態で始めると挫折するリスクが高いため、青チャートの基本〜標準レベル or 基礎問題精講を先に仕上げてから取り組んでください。

いつから始めるべき?前提条件と開始時期

1対1対応の演習を始める目安は以下のとおりです。

志望校推奨開始時期完了目標
東大・京大・医学部高2の冬〜高3の春高3の夏前
旧帝大・早慶高3の春〜夏高3の秋
MARCH・関関同立例題のみで十分。高3の夏〜秋高3の11月

私の場合は学校配布のサクシード(教科書傍用問題集)を終えた後に1対1に入りました。上位記事では「青チャート→1対1」のルートが主流ですが、サクシードなどの教科書傍用問題集から直接1対1に入るルートも十分に機能します。基礎問題を正確に解ける力があれば、必ずしも網羅系参考書を挟む必要はありません。

1対1対応の演習の効果的な使い方

1対1対応の演習の使い方で最も重要なのは、「前文」と呼ばれる解法の考え方・思考プロセスの部分を読み飛ばさないことです。1対1の真価は解答そのものではなく、「なぜこのアプローチが有効なのか」を言語化してくれる前文にあります。

基本の進め方

  1. 例題を読み、15〜20分で自力解答を試みる
  2. 解説を熟読(10分)。特に「前文」の考え方・思考プロセスを重視する
  3. 何も見ずに再現できるか確認する
  4. 対応する演習題に挑戦する(20分)
  5. 間違えた問題にチェックをつけて次へ進む

1問にかける時間は最大20分が目安です。20分考えても手が動かない場合は、解説を読んで理解→再現に切り替えてください。「考える力」は大切ですが、基礎力が不足している状態で長時間悩んでも効率は上がりません。

例題だけでいいのか?演習題の扱い方

これは1対1に関する最も多い質問です。私の結論は「演習題も必ずやるべき」です。

例題はインプット(解法の型を理解する)、演習題はアウトプット(理解した型を実際に使えるか確認する)という関係にあります。例題を理解しただけでは「わかった」止まりで、実際の入試で使える力にはなりません。演習題を解くことで初めて、解法が「使える知識」として定着します。

ただし、効率的な進め方としては以下のアプローチをおすすめします。

1周目は例題のみ → 2周目から演習題も含めるのが挫折リスクを抑えつつ効果を最大化するアプローチです。1周目で全体像を把握し、2周目以降で演習題のアウトプットを加えることで、理解と定着の両方を効率よく進められます。

何周すべきか?周回ごとの進め方

最低2周、理想は3周以上です。私自身は例題・演習題を合わせて何周も回しましたが、回すたびに新しい発見がありました。

周回ごとの役割

周回目的やること
1周目全体像の把握例題を中心に進める。解けなくても解説を読んで理解すればOK
2周目解法の定着例題+演習題をセットで。1周目でチェックした問題を重点的に
3周目以降弱点の克服2回以上間違えた問題のみ。別解にも挑戦

1日のペースは2〜3セット(例題+演習題で1セット)が目安です。1冊あたり3週間〜1.5か月で1周できます。理系で全6巻なら、6〜9か月で全巻を2周する計算です。

挫折しないためのコツ

6年間の指導で1対1に挫折する生徒を何人も見てきました。挫折パターンと対策を整理します。

挫折パターン原因対策
解説が理解できない基礎力不足のまま着手青チャート基本レベル or 基礎問題精講を先に完了する
6冊の量に圧倒される全巻一気に進めようとするIA→II→B→IIIと1〜2冊ずつ区切って進める
1問に30分以上かける完璧主義20分で手が止まったら解説を読む。「理解→再現」でOK
演習題が解けず心が折れる例題との難度差1周目は例題のみ。2周目から演習題に挑戦

特に注意してほしいのは「基礎力不足のまま着手する」パターンです。1対1は入試標準レベルの教材なので、教科書レベルの問題が正確に解ける力がない段階で取り組むと、解説を読んでもピンとこないまま進むことになります。その場合は、一旦1対1を棚に戻し、基礎固めに時間を使う方が結果的に近道です。

基礎に不安がある方は、スタディサプリの数学講座で苦手分野をピンポイントで補強するのも効果的です。1授業約10分なので、1対1と並行して隙間時間に取り組めます。

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青チャート・標準問題精講・FocusGoldとの違い

「1対1と青チャート、どっちをやるべき?」は最も多い質問の一つです。結論から言うと、1対1は青チャートの「後に」使う教材であり、どちらか一方ではなく「青チャート→1対1」の順序が基本です。

比較項目1対1対応の演習青チャート標準問題精講
位置づけ解法の型を深く理解基礎〜応用を広くカバー実戦的な演習
問題数約730題約1,000題以上約450題
難易度入試標準〜やや難基礎〜入試標準入試標準〜やや難
解説の特徴前文で思考プロセスを言語化。別解が豊富丁寧だが定型的精講パートで解法の核心を解説
向いている人解法を深く理解したい人幅広く基礎固めしたい人演習量を積みたい人

1対1 vs 標準問題精講の選び方

標準問題精講は1対1の代替として使えますが、アプローチが異なります。1対1は「1つの問題に対して複数の解法・別解を学ぶ」ことに重きを置いており、標準問題精講は「精講パート」で解法の核心を端的に示し、実戦的な演習量を確保する構成です。

「解法の引き出しを増やしたい」なら1対1、「演習量で実力を固めたい」なら標準問題精講がおすすめです。私は1対1の別解の豊富さに惹かれてこちらを選びましたが、標準問題精講も良い教材なので、好みの問題です。

1対1の後にやるべき参考書

1対1を仕上げた後の接続先は、志望校のレベルによって変わります。

志望校次にやるべき教材理由
東大・京大・医学部新数学スタンダード演習 → 新数学演習東京出版同士で接続が良い。入試の実戦レベルを鍛える
旧帝大・早慶理系数学の良問プラチカ → 過去問入試標準〜やや難の演習量を確保
MARCH・関関同立過去問演習に直接移行1対1の例題レベルで合格圏

私自身のルートは「1対1対応の演習 → 新数学スタンダード演習 / 数学IIIスタンダード演習 → 新数学演習 → 東大数学で1点でも多く取る方法」でした。1対1で基盤を作り、新スタ演で実戦力を鍛え、新数学演習で最難関レベルの問題に対応する力を養うという流れです。

英語の学習全体のロードマップについては医学部や東大に合格するための大学受験 英語学習ロードマップの記事で紹介していますので、数学以外の科目の計画も含めて参考にしてください。

参考書ルートに迷ったらプロに相談を

1対1対応の演習は素晴らしい教材ですが、「自分の今のレベルで1対1に入っていいのか」「1対1の後は何をやるべきか」「他の科目とのバランスはどう取るか」といった判断は独力では難しいものです。

特に数学は、間違ったレベルの教材に手を出すと「わからないまま時間だけ過ぎる」という事態に陥りやすい科目です。6年間の指導で最も多かったのが、「1対1を買ったものの基礎力不足で挫折し、結局また青チャートに戻った」というケースでした。この往復だけで数か月を無駄にしてしまいます。

東大毎日塾では、150人以上在籍する専属東大生メンター(採用率20%以下)が、あなたの学力と志望校に合わせた参考書ルートをオーダーメイドで作成してくれます。「1対1に入る前にやるべきこと」「1対1をいつまでに終わらせるか」「次に何をやるか」を一貫してプロに任せることで、教材選びの迷いがなくなり、学習時間を最大限に活かせます。

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まとめ:1対1対応の演習は「偏差値60→70超え」の最強ツール

この記事のポイントをまとめます。

  • 基本情報:全6巻・約730題。見開き1ページに例題+演習題の対応構成
  • レベル:開始偏差値60〜67.5、到達偏差値72.5。東大・医学部の足固めまで対応
  • 前提条件:青チャート基本〜標準 or 基礎問題精講の完了が必要
  • 使い方:例題15〜20分→解説の前文を熟読→演習題でアウトプット。1周目は例題のみでもOK
  • 例題だけ?:最終的には演習題もやるべき。ただし段階的に進めるのが効率的
  • 周回数:最低2周、理想3周以上。3周目以降は間違えた問題のみ
  • 青チャートとの関係:「どちらか」ではなく「青チャート→1対1」の順序が基本
  • 次にやる教材:東大なら新スタ演→新数学演習、旧帝なら良問プラチカ→過去問

1対1対応の演習は、正しい使い方をすれば数学の偏差値を大きく引き上げてくれる教材です。私にとっては受験数学の中で最も重要な1冊でした。ぜひこの記事を参考に、1対1を最大限に活用してください。

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