私が東京大学理科3類に合格してから、東大生として医学部生としてどんなイベントを経験したか紹介したいと思います。
- 理3生としての駒場生活
- 進学振り分け
- 医学部の講義と実習
- コロナ禍の病院実習
- 医師臨床研修マッチング
- CBT、USMLE、医師国家試験の勉強
- 東大医学部生の課外活動
一般的な東大医学部生がどんなことを経験するのかを実際に私が経験したことをもとに紹介しています。
この記事を読むと東大のこと、医学部のことをよく知ることができます。
理3生としての駒場生活
理3生は他の東大生と同じように大学2年の夏までは駒場キャンパスで学生生活を送ります。
東大生は第2外国語を学ぶことが必修として定められており、科類と第2外国語によってクラス分けがされます。
東大理3生の場合、理科2類の人と30~40人の合同のクラスに振り分けられます。
合同といってもクラスメイトのほとんどは理2生で、私のクラスは9割が理2生でした。
クラスメイトとは大学2年生の夏まで必修科目の試験を一緒に乗り越えていく仲間となります。
東大にはクラスメイトと仲良くなるイベントが多数用意されています。
- オリエンテーション合宿
- 5月祭
- 定期試験対策
- 駒場祭
- 実験 など
オリエンテーション合宿・シケタイ制度
オリエンテーション合宿は前年度入学の同じ名前のクラスの2年生が1年生を引率して行く1泊2日のクラス旅行のことで、入学の前に行われます。
2年生から「東大生としての学生生活」について色々教えてもらいます。例えば、単位のこと、アルバイトのこと、サークルのこと、試験対策のことなど。
理3生はオリエンテーション合宿で「クラスの試験対策委員(通称シケタイ)の管理者(通称シケチョウ)」に選ばれることが多いです。
シケタイ制度とは、具体的にはクラスの1人1人に担当科目が割り振られて、各々担当科目の授業内容をプリントにまとめて(通称シケプリ)、定期試験の過去問を集めて解答を作り、それをクラス内で共有するという制度のことです。
理3生は東大合格者の多い名門高校出身者が多く、その東大内のネットワークを活かして試験対策の情報を入手し、クラスに還元します。
東大生が作るシケプリは正直教授の授業や教科書よりわかりやすいなんてことがよくあり、試験に合格するだけなら授業に出席することも教科書を読む必要もなく、シケプリだけ読んでおけばいいという科目がほとんどです。
新歓期
大学に入学して最初の1,2ヶ月はサークルや部活の新歓が活発に行われています。
東大生は皆、この時期上級生やインカレサークルの他大の人にチヤホヤされますが、理3生は他の東大生以上にチヤホヤされます。
毎日のようにサークル新歓の食事会があり、上級生が全て奢ってくれます。
理3生は東大の通常のサークルに加えて、理3生と東大医学部生しか入れない医学部の部活にも入部することができます。
部活に9割以上が入部する医学部もある一方で、東大医学部生は5割程度しか部活に入部しません。そのため、医学部の部活に入部しないといけないという雰囲気も全くありません。
進学振り分け
東大には進学振り分けという、1年生と2年生の夏までの成績を元に、3年生からの進学先を決めることができる制度があります。
多くの東大生は希望の進学先に進学するために、定期試験の勉強を頑張ります。
一方、理3生はよほどのことがない限り、医学部に進学できるため、1,2年生の勉強はあまり頑張らない人が多いです。
理3生の多くは、試験数日前にシケプリを読めば試験に合格できるので、普段は高校時代に勉強のために犠牲にした青春を取り戻そうと遊んでいる人が多いです。
一方で、勉強を頑張って、とてつもなく良い成績を取る人もいます。私は残念ながら、前者でした。
- 英語
- 第2外国語
- 線形代数学
- 微分積分学
- 力学
- 構造科学
- 熱力学
- 生命科学
- 体育 など
上記の必修科目に加えて、自分の興味のある科目を自由に選択して受講することができます。
必修科目はつまらない科目が多かったですが、選択科目は興味深い科目がたくさんありました。個人的な感想です。
基本的に大学2年の夏まで、理3生は他の東大生とほとんど変わらない学生生活を送ります。
医学部へ進学
大学2年の秋〜3年生(基礎医学)
理3生は大学2年の秋から医学部に進学し、本格的に医学の勉強を始めます。キャンパスも駒場から本郷へと移動します。
駒場でとんでもなく良い成績を取って、他の科類から医学部に合流してくる人も何人かいます。逆に理3から医学部以外の学部に進学する人も稀にいます。
大学2年の秋から3年の冬までは基礎医学を勉強します。
- 生化学
- 組織学
- 解剖学
- 免疫学
- 生理学
- 薬理学
- 病理学
- 微生物学
- 遺伝子医学
- 衛生学 など
基礎医学とは端的にいうとヒトの体はどのように正常状態を保っているのかを学ぶ学問です。
多くの医学部生はこのタイミングで少し苦しみます。以下の理由が考えられると思います。
- 駒場時代と比べた必要な勉強量のギャップ
- 大学受験の時に物理選択のため、生命科学の基本的なことすら頭に入っていない
- 基礎医学を勉強する必要性がわからない
私も今なら基礎医学の重要性はわかるのですが、当時は全くわかっておらず、基礎医学の勉強は苦痛でした。
しかし、医学部にもシケタイ制度があり、今度は学年全体で単位取得のために協力していくことになります。
はじめは医学部の科目の勉強のやり方がわからず戸惑いますが、だんだんとコツを掴み、要領よく試験を突破していきます。
はじめは教科書を読んでみたり、講義に出席してみたりしますが、結局シケプリと過去問の勉強が一番の近道であることに気がつきます。
他の医学部では1科目単位を落とすと留年になってしまうこともあるようですが、東大は進級が緩く、1度や2度単位を落としたくらいでは留年しません。
解剖実習もこの時期に行います。個人的には大学生活6年間で一番楽しかった授業が解剖実習でした。
解剖実習では5人1組の班で1人の遺体を解剖します。5人で共同作業を行うため、班員とは非常に仲良くなります。
大学4年生(臨床医学)
大学4年生になると臨床医学を勉強します。
臨床医学とは実際に患者に接してどのように病気を診断・治療を行うかの学問です。
- 内科学
- 外科学
- 小児科学
- 精神医学
- 放射線医学
- 皮膚科学
- リハビリテーション学
- 耳鼻咽喉科学
- 泌尿器科学
- 麻酔科学
- 救急医学 など
より実践的な内容を学ぶため、基礎医学よりモチベーション高く勉強している学生が多かったです。
私もこの時期から医学へのモチベーションが高くなり、医師国家試験対策用の動画講義を配信しているmedu4というサービスで自主的に勉強を始めました。
ちょうどコロナが流行り始めた頃で、家に閉じこもっていないといけない期間が長く、他にやることも特に思いつかなかったので、勉強していました。
講義は全てオンラインで試験の時だけ大学に行くという生活でした。
CBT
大学4年の11月にCBTという病院実習を始める前に全国の医学生全員が受ける試験を東大生も受験します。
CBTでは基礎医学と臨床医学の問題320問を6時間かけて解きます。
CBTは合格しないと病院実習ができないので、不合格となると留年となります。
普段は試験前に少し勉強して要領よく単位を取得してきた人もある程度しっかり勉強しないとCBTに落ちてしまいます。
大学5年生(病院実習)
CBT合格後に実際に病院で実習を行います。
しかし、私の学年はコロナの影響で実際に病院に行って実習を行うことができない期間が長く続きました。
家でオンラインの講義を2,3時間聞いて終わりという日々でした。
そこで、私はUSMLE STEP1という米国医師国家試験に挑戦してみることにしました。1年ほどコツコツと勉強することで合格することができました。この試験は大学のカリキュラムと全く関係ありませんが、受験している医学生はちらほらいます。
実習の負担が少なかったので、そこまで大変ではありませんでしたが、9時から5時まで病院で実習しながらの場合は大変だったと思います。
一般的な病院実習ではどんなことをするのか紹介します。
- 担当患者の診察
- 担当患者のカルテを書く
- カンファレンスで担当のプレゼンテーション
- 手術見学
- 検査見学
- レポート作成
- 外来見学 など
医学生ができることはかなり限られているため、実際の医療現場を見学することが病院実習のメインとなります。
医学生の実習は忙しいというイメージがあるかもしれませんが、実際は9時から5時まで拘束されることはむしろ珍しく、コロナの影響もあってか、午前中だけ手術を見学するというような日の方が多かったです。
大学6年生(マッチング、医師国家試験)
大学6年生になっても、5年生の時と同様に病院実習があります。
多くの大学の医学部では病院実習は6年生の夏までですが、東大の場合は6年生の12月まで実習がありました。
大学6年生には医師臨床研修マッチングと医師国家試験という大きなイベントが2つあります。
医師臨床研修マッチング
医師臨床研修マッチングとはいわゆる就活のことです。大学卒業後2年間の初期研修を行う病院をマッチングで決めます。
医学生の就活は一般的な就活とは異なり、特殊な方法で研修病院が決まります。
医学生は5年生の秋ごろから初期研修したい病院をいくつかリストアップして、見学に行きます。
実際に病院で働いている研修医にその病院での初期研修について色々教えてもらいます。例えば、研修プログラムについてや給料、勤務時間など。
6年生の夏に病院ごとに面接や試験を受けます。病院の採用試験は何個でも受けることができます。
医学生の希望と病院の希望を踏まえて一定のアルゴリズムによってその組み合わせが決定されます。
そして、10月に全医学生一斉にどの病院で初期研修を行うのかが発表されます。
東大生の場合、大学病院で初期研修する人は比較的少なく、東大の関連病院で初期研修する人が多い印象です。
東大の場合、6年生の夏前に2ヶ月間病院実習を休むことができる期間があるため、その期間に病院見学などの就職活動をする人が多いです。
医師国家試験
6年生の2月に医師国家試験があります。
この試験に合格しない限り医師になることはできないため、皆必死に勉強します。
医師国家試験は受験者の9割が合格する試験ですが、中途半端な勉強では合格することができません。
多くの人は医師国家試験対策の動画講義サービスを受講して、勉強しています。たまに、過去問だけやって受かる人もいますが。
私は大学4年生の時にmedu4という医師国家試験対策の動画講義サービスの動画をすでに視聴していたため、過去問演習中心で学習を進めました。
医師国家試験に合格すると4月から医師として働くことになります。
課外活動
東大に入学してから卒業するまで、大学の授業や実習が忙しくて全く課外活動ができないという期間はありませんでした。
皆それぞれ医学部の勉強以外にも何かに打ち込んでいた印象があります。
最後に東大医学部生がどんな課外活動に取り組んでいるか紹介します。
- 家庭教師や塾講師などのアルバイト
- 医学研究
- 医学以外の勉強
- 部活動
- サークル活動
- 飲み会
- 海外病院実習
- 海外旅行
- YouTube
- 起業
- インターン など
まとめ
東大医学部生の大学生活をざっくりと振り返ってみました。
医学部に進学してからは他の医学部とやることはほとんど変わらないと思います。
また、何か思い出したら追記します。
