医学部、東大志望におすすめ「新数学スタンダード演習」の使い方

本記事の内容
  • 新数学スタンダート演習とはどんな問題集なのか
  • 新数学スタンダード演習をやるべき人はこんな人
  • 新数学スタンダード演習で医学部、東大レベルまで数学力を上げる使い方
  • 新数学スタンダード演習の次にやるべき問題集

「新数学スタンダード演習」という問題集をご存知でしょうか。

東大や医学部をはじめとする難関大志望者に人気の「新数学スタンダード演習」は適切なレベルの人が効率的なやり方で使うと大幅に数学の成績を向上させることができる問題集です。

一方、不適切なレベルの人が正しくないやり方で使うとむしろ合格から遠のくような問題集となっているため、注意が必要です。

今回はどのような人がどんな使い方をすれば「新数学スタンダード演習」で成績を上げられるのか解説します。

目次

新数学スタンダード演習とは

「新数学スタンダード演習」とは東京出版から発行されている問題集です。

「大学への数学」という東京出版が発行している月刊誌があり、「新数学スタンダード演習」は「大学への数学」の4月増刊号という扱いです。

そのため、毎年新規発行されていますが、内容に大きな変化はありません。

現在発行されている一番新しいものを購入すれば良く、新年度版が出版されても買い換える必要はありません。

「新数学スタンダード演習」には数ⅠAⅡBの範囲の入試の標準からやや発展的な典型的重要問題が精選されて構成されています。

入試の標準からやや発展的な問題というのは、東大や偏差値の高い医学部であれば入試本番で必ず解けなければならない問題で、それ以外の大学では他の受験生と差がつく問題です。

問題数は毎年新規発行されるので年によってばらつきはありますが、およそ300問です。

この300問で数ⅠAⅡBの全ての範囲の問題が網羅されています。

目安ですが各単元の問題数を表にしました。

単元問題数
数と式14
方程式・不等式16
集合と論理・命題12
関数(1次・2次)6
数列19
場合の数19
確率19
整数21
座標17
平面のベクトル14
空間のベクトル12
三角・指数・対数関数19
図形29
微分法11
積分法14
総合演習(数式)24
総合演習(図形)24

この問題集を完成させた場合、東大などの一部の大学を除いてほぼ全ての大学で合格点を取れる実力を身につけることができます。

数Ⅲの範囲において「新数学スタンダード演習」と同じ難易度の問題集として「数学Ⅲスタンダード演習」があります。

詳しくは下記の記事をご覧ください。

新数学スタンダード演習をやるべき人

東大、京大、東工大などの難関大旧帝大医学部などの難関医学部を目指している人におすすめです。

比較的入試難易度の低い私立医学部や地方国公立医学部志望の人には必ずしも必要な問題集ではありません。

前述の通り、上記の大学を志望していたとしても、数学の学力が適切なレベルにない人が使うのは絶対にやめてください。

「新数学スタンダード演習」を始める前に「1対1対応の演習」のような網羅型問題集を完成させておく必要があります。

「1対1対応の演習」と似たレベル網羅型問題集として「Focus Gold」や「青チャート」などがあります。

「1対1対応の演習」は「新数学スタンダード演習」を発行している東京出版から発行されており、この順で学習を進めると、「1対1対応の演習」で学んだやり方を使ってよりスムーズに「新数学スタンダード演習」に取り組むことができます。

1対1対応の演習について詳しいことは以下の記事をご覧ください。

「新数学スタンダード演習」は「1対1対応の演習」や「Focus Gold」のような網羅型問題集と問題の難易度が被っている部分もあります。

しかし、問題集としての役割が全く違います。

網羅型問題集では問題がテーマごとに分類されており、1つの問題から1つのテーマすなわち問題解法の定石を学ぶことができます。

問題解法の定石とはこのパターンの問題はこのように解くというように決まっており、問題を解くための道具というイメージです。

網羅型問題集ではこの問題を解くための道具を一通り勉強することができます。

「新数学スタンダード演習」は問題ごとのテーマが明らかになっておらず、網羅型問題集で学んだ問題を解くための道具を実際に自分の力で使ってみることで応用力を上げるための演習用問題集です。

ゆえに、「新数学スタンダード演習」に取り組む前に網羅型問題集を完成させておく必要があります。

網羅型問題集が完成している状態というのは問題集を「とりあえず1周しました」という状態のことではありません。

何周もした上で全ての問題の解法が瞬時に思い浮かぶレベルまでやり込んだ状態のことをいいます。

網羅型問題集が上記の状態になっていない人は「新数学スタンダード演習」を始めるのではなく、まず先に網羅型問題集を完成させてください。

新数学スタンダード演習の使い方

基本的な進め方は問題集を前から解いていき、解けるようになるまで周回するというやり方です。

「新数学スタンダード演習」を始める前の網羅型問題集をどれだけやり込めているかで1周目の正答率は人によって様々です。

きちんとやり込めていれば1周目から半分くらい解けるという人もいるでしょう。

前述の通り、この問題集の役割は「1対1対応の演習」といった網羅型問題集の役割とは異なるため問題の取り組み方も異なります。

網羅型問題集では問題解法の定石をインプットすることが目的なので、わからない問題は解説をすぐ見て解法の論理展開を理解し自分のものにしていくという取り組み方をします。

「新数学スタンダード演習」では問題解法の定石はすでに学んだ状態で取り組んでいるはずなので、わからない問題に直面したとしてもすぐには解説を見ずにどの問題の解法の定石が適応されるのかを手を動かして試行錯誤します。

それでは、実際に私がどのように「新数学スタンダード演習」に取り組んだかを紹介します。

STEP
問題集を前から解いてまず1周する

別にどの分野の問題から解き始めてもいいのですが、特にこだわりがないのであれば、問題集の前から問題を解いていきます。

問題を見たらすぐに解法が思い浮かぶ問題もたくさんあると思いますが、思い浮かばない時はどうすればいいでしょうか。

前述の通りすぐには解説を見ません。

この時どのようなマインドが重要になるかというと「自分は問題を解くための道具は全て持っている」というマインドです。

網羅型問題集を完成させてるはずなので、理論上この段階で問題を解くための知識は足りており、あとは必要なのはその知識をどう使うかの応用力です。

自分の頭の中から問題解法の定石を探してくる感覚です。

「自分にはまだ知らない問題の解き方があるんじゃないか」と考えていると合理的でない式変形をしてしまったり、闇雲に思考を巡らしてしまったりしてしまいます。

この時、図を書いたり式変形をしたり、必ず手を動かしましょう。頭の中でずっと考えていてもダメです。

それでも解けない時は解説を読んで、なぜ解けなかったのかを分析します。

解答を写したり、解き直す必要はありません。

解説の論理展開におけるどの部分が自分はできなかったのかを明らかにして、次そこで躓かないためにはどう考えればよいのかを思考しておきます。

ここでわからない部分に関しては調べたり人に聞いたりして必ずその場で解決してください。

わからないことが解決したら2周目以降に再び調べたり人に聞いたりすることを繰り返さないように自分なりの解説を問題集に書き加えておきます。

1周目でしっかりと理解することができていれば、2周目以降の演習のスピードがあがり、学習効率が上がります。

決してわからないところを放置したまま、先に進むことがないようにしてください。

1日に5~10問ずつ解いていくのが理想的なスケジュールだと思います。

その場合、1~2ヶ月で1周することができます。

STEP
問題集をもう1周する

step1と同じようなやり方で全問題もう1周します。

1周目にも2周目にも解けた問題は入試本番でも解けるはずなので、これ以上解く必要はありません。

2周目に間違えた問題にはチェックを入れておきます。

STEP
解けない問題のみ周回する

3周目は2周目に解けなかった問題のみ取り組みます。

4周目は3周目に解けなかった問題のみ取り組みます。これを解けない問題がなくなるまで、繰り返します。

問題集の問題が全て解けるようになったら、「新数学スタンダード演習」の学習は完了です。

新数学スタンダード演習の次にやるべき問題集

「新数学スタンダード演習」が完成したら、次は過去問演習を行うことをおすすめします。

東大理科3類志望などの東大数学で高得点が必要な方は過去問演習と並行して「新数学演習」もやるのがおすすめです。

「新数学演習」は「1対1対応の演習」や「新数学スタンダード演習」と同じ東京出版が発行している問題集で、かなり発展的な問題が数多く掲載されています。

「新数学演習」は「新数学スタンダード演習」で入試の標準〜発展問題を完成させた人なら挑戦する価値のある問題集です。

いわゆる難問と言われる問題も解けるようになりたい人はぜひ使ってみてください。

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