- 名問の森とはどんな問題集なのか
- 名問の森をやるべき人はこんな人
- 名問の森で医学部、東大合格レベルまで持っていく使い方
- 名問の森の次にやるべき問題集
大学受験物理の定番の問題集である「名問の森」。
この問題集を完璧にすることができたら基本的にどんな大学の入試問題にも対応することができるようになります。
私はもともと物理が苦手科目だったのですが、この問題集を完成させた頃には苦手から脱却し、東大模試では偏差値76.9が取れるまで物理の成績を伸ばすことができました。
「名問の森」は東大や医学部などの難関大を目指す人であれば、必ずやっておいた方がいい問題集です。
今回はそんな私の受験勉強においてかなり役立った「名問の森」について紹介したいと思います。
名問の森とは
「名問の森」は大学受験において網羅型問題集に分類される問題集です。
網羅型問題集とは今まで様々な大学で出題された入試問題から出題頻度の高い問題を網羅的に収録している問題集のことです。
「名問の森」以外では「物理重要問題集」が同じレベルの網羅型問題集として有名です。
大学入試物理において基礎的な力を培うには避けて通れないのが網羅型問題集です。
「名問の森」は力学・熱・波動の問題を扱った「名問の森 物理 力学・熱・波動1」と、波動・電磁気・原子を扱った「名問の森 物理 波動Ⅱ・電磁気・原子」の2冊から構成されています。
「物理のエッセンス」と「良問の風」と同じ著者の問題集のため、これらの問題集をすでにやっている方は問題なくスムーズに取り掛かれる問題集です。
それぞれの問題集に掲載されている問題数を章ごとに以下の表にまとめました。
章 | 問題数 |
力学 | 43 |
熱 | 16 |
波動1 | 14 |
波動2 | 9 |
電磁気 | 44 |
原子 | 14 |
「名問の森」はまず問題があり、1つ1つの問題に割り振られているテーマが「Point & Hint」で解説されており、その次の「LECTURE」で問題の解説が行われるというように構成されています。
「名問の森」に掲載されている合計140問で難関大の物理の入試問題の問題パターンはほぼ全て網羅されています。
「名問の森」は解説が簡潔ですが、核となる考え方をしっかり説明しており、1つ1つの問題から応用力を身につけることができるようになっています。
「名問の森」は難関大受験においては物理の基本を築くための問題集ですが、それは問題が簡単ということを意味しているわけでは全くありません。
むしろはじめは難しく感じると思います。必ず教科書レベルの物理の学力を有してから取り組むようにしてください。
そうでないと挫折する可能性が高くなります。
「名問の森」は適切なレベルにある人が適切な使い方で使うことで大きく成績向上させることができる問題集です。
名問の森をやるべき人
東大、京大、東工大などの難関大や国公立医学部、私立医学部を志望している人におすすめです。
上記の大学を志望していたとしてもいきなりこの問題集から受験勉強を始めるのはおすすめできません。
前述の通りある程度の物理の学力がないとこの問題集の解説を理解するのにかなり時間がかかり、効率が悪いです。
まずは教科書レベルの学力をつけてください。教科書レベルの学力がある人はぜひ「名問の森」をはじめてください。
教科書レベルというのは具体的には「物理のエッセンス」という参考書のレベルです。
もしこれから物理の受験勉強を始めようとい人はまず「物理のエッセンス」から始めるのがおすすめです。
「物理のエッセンス」は「名問の森」と著者が同じ参考書で、「物理のエッセンス」をやった後であれば、スムーズに「名問の森」に取り組むことができます。
「物理のエッセンス」に関しては以下の記事をご覧ください。
現在、「物理重要問題集」のような「名問の森」と同レベルの網羅型問題集に取り組んでいる方は「名問の森」に取り組む必要はありません。
名問の森で医学部、東大合格レベルまで持っていく使い方
この問題集に取り組むにあたって最終目標は全ての問題を見たらすぐに解法が思い浮かび実際に解き切ることができる状態です。
実際の入試問題や模試の問題のほとんどは「名問の森」に載っている問題の類題です。
この問題集の問題がしっかり解けるようになると必ず成績は上がります。
実際に私がこの状態になるまでにどのように「名問の森」に取り組んだかを紹介します。
まず、ノーヒントで何も見ず問題に取り組みます。
この段階では初見なので、全然解けないということもあると思います。
数分間考えてもこれ以上手を動かせないという場合は解答解説を見ます。
ここで何分も考えて悩んでも時間の無駄なので、時間をかけすぎないようにします。
「Point & Hint」読んで、その問題のテーマを確認します。
1周目でやるべきことは解答解説の理解に注力することです。
なぜなら、1周目にどれだけしっかり解説を理解できるかで、2周目以降の演習効率は大幅に変わるからです。
1周目で解説の理解が曖昧のまま2周目に入ると、再び解説を読んで理解することに時間をかけることになってしまいます。
したがって、1周目の時点でわからない部分に関しては調べたり人に聞いたりして必ずその場で解決します。
わからないことが解決したら2周目以降に再び調べたり人に聞いたりすることを繰り返さないように自分なりの解説を問題集に書き加えておきます。
1周目でしっかりと理解することができていれば、2周目以降の演習のスピードがあがり、学習効率が上がります。
決してわからないところを放置したまま、先に進むことがないようにしてください。
全問題をさらに2周し、合計3周します。
なぜ全問題3周もするのか疑問に思う人もいるでしょう。
「名問の森」を完璧にするにはただ解けるだけではなく、問題を見た瞬間に解法が思い浮かぶくらいまで反復することが大切です。
1周目の段階で解説を読みさえすれば理解できるという状態を作っていれば、2周目以降の演習のスピードはどんどん上がっていきます。
3周もすれば完全に解ける問題もいくつかあるでしょう。
4周目は3周目に解けなかった問題のみ取り組みます。
5周目は4周目に解けなかった問題のみ取り組みます。
これを解けない問題がなくなるまで、繰り返します。
「名問の森」の問題が全て解けるようになった時、難関大の数学の実際の入試問題を解く力が身についています。
名問の森の次にやるべき問題集
「名問の森」の問題が全て解けるようようになった人はほとんどの大学の過去問に取り組むことができる実力がついています。
したがって、一部の超難関大を志望している人以外は「1対1対応の演習」の次は志望校の過去問に取り組みましょう。
東大、京大、東工大と慶医や旧帝大医学部などの難関医学部志望の人で物理で高得点を狙いたい人は「名問の森」の次に「物理標準問題精講」や「難問題の系統とその解き方」に取り組むことをおすすめします。
どちらの問題集も「名問の森」の次に行う問題集として最適ですが、「難問題の系統とその解き方」は「物理標準問題精講」より問題数が多いので、入試本番までどれくらい時間があるかでどちらを選ぶか決めると良いです。
あくまで目安ですが、入試まで半年以上ある人は「難問題の系統とその解き方」がいいと思います。
そうでない人は「物理標準問題精講」の方がいいと思います。
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