初心者でも挫折しない洋書の選び方・読み方とおすすめの本7選

本記事の内容
  • 洋書を読むことのメリット
  • 挫折しない洋書の読み方と選び方
  • 私が実際に読んだおすすめの洋書を英検のレベル別で紹介

私は普段の英語学習と並行して今までにたくさんの洋書を読んできました。

洋書を読むことで楽しく英語力をアップすることができるため、英語学習者にはおすすめの習慣です。

しかし、洋書の効果的な読み方を知らないと、初心者はすぐに挫折してしまうことがあります。

今回は洋書を読むことのメリット、挫折しない洋書の読み方と選び方、私が実際に読んで面白いと思った洋書を紹介します。

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目次

洋書を読むことのメリット

洋書を読むことのメリットは以下の4つあります。

  • 長文読解力がつく
  • 英語学習のモチベーションになる
  • 自然と語彙力がつく
  • 英語圏の文化を知ることができる

詳しく説明していきます。

長文読解力がつく

当然のことですが、洋書を読むことで長文読解力が飛躍的に向上します。

しかし、いわゆる「長文問題集」をやって身につく長文読解力とは異なったものが身につきます。

洋書を通して身につくのは多読力です。

多読とは無理なく理解できる英文を素早く大量に処理する読み方のことです。

多読では文構造を細かく理解するのではなく、英文の大まかな意味を把握しながら、多くの文章をスムーズに読み進めていきます。

いわゆる長文問題集を取り組むときに身につくのは文構造をきちんと理解しながら読む精読力です。

多読力を身につけると長文に対して苦手意識がなくなり、読むスピードも格段に上がります。

また、英文を英語のまま理解することができるようになります。

英語学習のモチベーションになる

洋書は楽しみながら英語学習を行うことができます。

洋書を読み進めていくとより多くの単語や表現を知りたいという気持ちになるため、普段の英語学習のモチベーションもアップします。

実際、有名作品を原作で読んだあとは達成感を得ることができます。

自然と語彙力がつく

普段、皆さんは英単語をどのように覚えていますか?

多くの人が単語帳を使って英単語の勉強をしていると思います。

英単語の勉強は単調なので、退屈で苦痛に感じる人も多いでしょう。

洋書を読み続けていると英単語を覚えようとしなくても自然と身につけることができます。

洋書を読んでいる最中に知らない単語があったとしても、何度も繰り返し目に触れることで文脈から単語の意味が予想できるようになり、自然と意味がわかるようになります。

実はこれが一番理想的な語彙力の増やし方です。なぜなら、実際に単語がどのように使われているかを理解でき、単語帳で覚えるより正しい意味が身につくからです。

英語圏の文化を知ることができる

洋書は物語が書かれた国の文化が色濃く反映されており、読み進めながら自然と英語圏のカルチャーに触れられます。

その文化の中で生まれ育った人だからこそ分かる例え話やジョークも含めてストーリーを楽しめるようになれば、英語と触れる際の感性が一層豊かになります。

挫折しない洋書の読み方と選び方

洋書の読書習慣は英語力向上に大きく役立ちますが、初心者は挫折しがちです。

挫折しないための洋書の読み方と選び方がわかっていれば、洋書を継続して読み続けることができ、英語力を飛躍させることができます。

挫折しない洋書の選び方
  • レベルに合った難易度を選ぶ
  • シリーズものの小説を選ぶ
  • 興味のあるジャンルの本を選ぶ
  • 有名な本を選ぶ
  • ラダーシリーズの語彙制限本の中から選ぶ

洋書選びで一番大切なのは自分のレベルに合った難易度の本を選ぶことです。

読むことができる本のレベルは英単語のレベルで決まります。

辞書なしでも物語の大枠が理解できるくらいの難易度の本を選びましょう。

目安としては1文に知らない単語が1つか2つくらいのレベルです。

個人的なおすすめはシリーズものの小説を選ぶことです。

洋書の読書では、物語の設定や登場人物、世界観が掴めていない最初の数ページが最も難しく感じることがあります。

シリーズものの小説なら、2冊目以降は物語の設定などはわかった上で読み始めることができるため、読み始めの一番大変な部分で挫折するということが少なくなります。

洋書初心者のうちはラダーシリーズで語彙制限本を読むのもおすすめです。

ラダーシリーズとは、英語学習者が学習しやすいように、使用する単語を限定して、やさしい英語で書き改められた、多読・速読に最適な英文リーダーです。

使用されている単語で洋書が6段階にレベルわけされており、「はしご (ladder)」を一段ずつ登るように、読める文章をステップアップさせていくことができます。

クラッシックから現代文学、ノンフィクション、ビジネスと、様々なジャンルがあり、自分の興味にあった洋書を選ぶことができるのが、ラダーシリーズのおすすめポイント。

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挫折しない洋書の読み方
  • 本を読む前にあらすじをサラッと確認する
  • 辞書の使用は最小限にとどめる
  • 文脈からわからない単語の意味を推測する
  • 丁寧に英文を読んで細かく意味をとらえようとはせず、流れるように英文を読む
  • 物語の流れを掴んで内容を楽しむことを目的にする
  • 毎日短時間でいいから継続する

前述の通り、洋書は読み始めが一番大変です。

登場人物も物語の設定も何もわからず読み始めるとかなりつらいです。

本を読む前にサラッとあらすじを確認しておくだけでかなり読みやすくなります。

また、辞書の使用は最小限にとどめましょう。

何度も繰り返し登場する単語で物語の流れの理解に必要なものは辞書で調べた方がいいですが、それ以外の単語は分からなくてもそのまま読み進めましょう。

分からない単語は文脈からどんな意味か推測しながら読み進めてください。

分からない単語が出てくるたびに辞書を引いていると、読書のテンポが遅くなり、読書そのものが進みにくくなってしまいます。

英文を読むスピードは落とさず、流れるように読み進めましょう。

英文の意味を完璧に理解しようとはせず、物語を楽しめる程度に理解できていれば十分です。

また、洋書を習慣化するには毎日短時間でいいので継続することです。

1日10~15分でも十分です。毎日継続できたら1年後にはかなり英語力が向上するでしょう。

朝通学中に読んだり、夜寝る前に読んだりなど毎日いつ洋書を読むのか決めておくのがおすすめです。

英検のレベル別でおすすめの洋書7選

私が英検の対策と並行して読んでいた本の中から特に面白かったおすすめの本をいくつか紹介していきます。

英検準2級

Diary of a Wimpy Kidは中学生になったばかりの主人公のグレッグの日々の学園生活を日記形式で書かれている本です。

思春期まっただ中の、アメリカのごくありふれた中学生の日常が描かれています。

学校生活の話は中高生には馴染みがあるので理解しやすく、クスっと笑えるような話も多いのでおもしろいです。

イラストも豊富であり、シリーズ化されているので、これから洋書を読むという人には非常におすすめです。

英検2級

主人公のスタンレーは無実の罪で少年更生施設「Camp Green Lake」に送られ、そこでは罪を犯した少年達が来る日も来る日も干上がった湖で穴を掘らされているという話です。

どんな不良も燃える太陽の下で毎日穴を掘らせれば更生するという理由で少年たちは穴を掘らされ続けるのですが、隠された意図に徐々に気がついていきます。

普段の英語学習では出てこないような単語が出てくるので慣れるまでは大変ですが、物語の内容は非常におもしろいのでおすすめです。

インディアン(アメリカ先住民)の特別保留地に住む14才の少年アーノルドが40km近く離れた白人の町の高校に通い始め、初めは保留地の住民達には「裏切り者」として冷たく扱れ、新しい高校の生徒たちにもいじめられてしまいます。

しかし、次第に人種差別をしていた生徒たちと友人になり、アーノルド自身も成長していく物語です。

14才の少年の目に映る米国先住民が抱える社会問題が描かれていおり、アメリカの文化を知ることができます。

胸をえぐられる気持ちになるような話もあれば、思わず吹き出すような話もあり、読者の感情が揺さぶれるため読み応えがあります。

スラングが用いられている部分は読みづらさを感じるかもしれませんが、文脈からなんとなく意味を想像することができます。

英検準1級

文明崩壊後の北アメリカに位置する国家を舞台に、主人公の16歳の少女カットニスが「ハンガー・ゲーム」と呼ばれるイベントに参加する物語です。

「ハンガーゲーム」とは12の地区から、各地区ごとに男女1人ずつくじ引きで選出された12歳から18歳までの24人が、テレビ中継される中で最後の1人が残るまで殺し合いを強制されるというイベントです。

物語はドキドキするような展開が続くので、続きが気になりはやく読み進めたいような気持ちになる本です。

「ハンガーゲーム」は3部作のシリーズであり、アクション、サバイバル、政治的なテーマを含むスリリングなストーリーは若者を中心に大きな人気を博し、映画化もされました。

この本は日本語では「アラバマ物語」として知られており、まだ黒人差別が根強く残っていた1930年代のアメリカのアラバマ州が舞台で、白人男性の弁護士アティカスが強姦の罪で告発されている黒人男性トムの弁護を引き受けるという物語です。

トムを巡る裁判では人種差別と不正義が浮き彫りになっており、アラバマ州での深い人種差別や偏見、そしてそれに立ち向かうアティカスの勇気と正義が描かれています。

この本はいくつもの賞を受賞している名作で映画化もされており、アメリカでは国民的小説という位置付けです。

この本は英語の学習として良いだけではなく、アメリカの人種差別の歴史のことを学べて非常に教育的なため、歴史の勉強としてもおすすめです。

英検1級

「ハリーポッター」は誰しも一度は名前を聞いたことはある世界有数の大ヒット映画であり、今回紹介するのはその原作です。

「ハリーポッター」は主人公である魔法使いの少年ハリーが魔法学校で魔法を学びながら友情を育み、闇の魔法使いであるヴォルデモートと対峙しながら成長していくという物語です。

シリーズは全部で7冊あり、魔法の呪文やアイテムなど魔法世界が細部まで緻密に描かれています。

使用されている英単語のレベルは比較的高く英検1級レベルですが、一度映画を観たことがある方や日本語で本を読んだことがある方なら、世界観や物語のあらすじが頭に入っているので、読みやすいと思います。

ハリーポッターは初めて読むという方にも、物語をすでに知っているという人にも原書を読むのがおすすめの作品です。

「Catch 22」は、第二次世界大戦を舞台にし、軍隊の兵士たちの中で繰り広げられる狂気と人間のジレンマを描いている小説です。

主人公のヨッサリアン中尉は、絶え間ないバラバラな命令や不条理な規則に直面し、絶望と笑いが交錯する状況に置かれており、仲間の兵士も皆、逃げ出したいと願う一方で、兵士としての責任を果たさなければならないというジレンマに苦しんでいます。

ブラックユーモアと風刺の要素を見事に融合させた作品であり、戦争の厳しい現実や兵士たちの矛盾した行動が、皮肉や風刺を通じて描かれます。

軍の非論理的な規則や権威に対する皮肉が散りばめられており、笑いもある一方で戦争の悲劇的な一面も浮き彫りになっています。

タイトルのキャッチ22というのはこの作品中の登場する軍規22項(狂気に陥ったものは自ら請願すれば除隊できる。ただし、自分の狂気を意識できる程度ではまだ狂っているとは認められない)からきています。

ヨッサリアンは「精神障害にかかったことを理由に除隊を請願しても、『自分で自分のことを精神障害と判断できるということは精神障害ではない』と判断されて除隊を認めてもらえない」というジレンマに苦しんでおり、この作品が発表されてから「Catch 22」はジレンマや板挟みという意味のスラングとして定着しました。

英単語レベルは英検1級またはそれ以上のレベルで難易度は高いですが、物語の内容は非常に面白く、ある程度洋書の読書に自信のある人にはぜひ読んでみてほしいです。

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洋書の読書は毎日少しずつでも継続することができた場合、英語力が飛躍的に向上するだけでなく、英語圏の文化を知るきっかけにもなるので、非常におすすめの習慣です。

洋書を読んでみたいと思った方はぜひ自分のレベルに合った本を無理せず継続できるペースで読み続けてみてください。

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